私には2つ上の姉がいます。昔から自分の気に入った物をとても大切に使う人です。
ちなみにそういう人は物に限らず、人や全ての物を大切にする人です。
こういうところは姉に適わないなぁ〜といつもいつも思います。

何年も前に私と一緒に選んで買ったバッグがお気に入りで、今でも大切に使っていると
少し前にメールをもらって、それが余りにも前のことだったので驚いたものです。

そんな姉と以前、電話でこんなことを話しました。
私たちの叔母は茶道の先生をしているのですが、そんな叔母のお茶会を手伝った日のこと。
とても素敵な革のバッグをもったご婦人に会ったそうです。
そのバッグは明らかに何年もそのご婦人と共に年月を重ねてきたあとが見える風合いで
姉は「素敵なバッグですね」と話しかけたそうです。
その時にそのご婦人がそのバッグを昔に買って、とても気に入っていること、そして
昔はこんな風合いじゃなかったけど、使っていくうちに変化してこうなったことを教えてくれたそうです。

姉はその時に「一緒に自分と年を重ねながら、重ねた分だけその風合いがでるようなそんな革のバッグは素敵だね」と
言っていました。自分がこういう「ものつくり」をしていても、色々なことを言わないので、姉がそう思ったことが
なんだかとても嬉しかったのと、そういうバッグを姉のために作ってみたいなぁ〜と思いました。

何年か革でものつくりをしていて、どうしてもそういう雰囲気に「育つ革」と「そうではない革」があることがあって、
もちろん色々なファッションを楽しむように、バッグも色々なデザインや色合い、雰囲気のものを楽しみたいという気持ちは
あるべきことだし、シーンに合わせたバッグを使うことは楽しく素敵なことです。私もそうです。

でもNS-493、494を作ろうと思ったのは、姉のようにそういう「先への楽しみ」も素敵だなって共感したから。
瞬時には生まれないその風合いや雰囲気は育てていくもの。時が掛かるもの。
そういう気持ちや想いって素敵だな〜と思ったからです。そういう想いを込めて作ったバッグです。

何年後かのバッグ、そして何年後かの私・・。
どちらも今よりもより魅力的に、より素敵になっているといいな・・と思いながら生きていきたいです。